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よくある質問

9月にひき続き、先週までたくさんのお客様がゲストハウスにいらっしゃいました。毎週土曜日の午前中に設けている見学の時間にも、宿泊されている方以外にも日本から、タイ国内から、そして海外からもお客様がみえ、ホームを見ていただきました。

チェンマイに来て半年以上過ぎ、最近は見学の案内にも慣れてきましたが、良く受ける質問が2つあります。それは
・バーンロムサイでは小さな子どもを預からないのですか?  
・子どもたちの飲む薬はどのようになっているのですか?
という質問です。これは私が日本にいた時も同じように思っていた事ですが、皆さん同じ事を思うようです。

現在タイでは、抗HIV療法が広まり、両親をエイズで亡くす子どもたちと、HIVに母子感染した子どもたちの数は一時より少なくなってきているとのことですが、それでも国立孤児院には多くの子どもたちがいます。国立孤児院では小さい子どもの面倒を見る保母さんたちの数が圧倒的に少ないので、バーンロムサイにも「子どもを預かってくれないか」という問い合わせが時折来るようですが、今の施設の状況では、ここで生活している学齢期真っ盛りの30人の子どもたちの他に小さい子どもを引き取ることは、スペース的にもスタッフの数や構成からみても厳しいと言えそうです。この先、子どもたちが自立しここを巣立つ日が来ればまた状況は変わってくることと思いますが、、。

子どもたちが毎日、12時間毎に飲み続けている薬ですが、現在はその多くをタイ政府と協力関係にある国際NGOからの援助を受けています。しかし、援助でいただける薬の種類は決まっており、同じ薬を飲み続けることにより耐性が出来てしまった(その薬が効かなくなってしまうこと)子どもたちは、援助の薬以外に、高価な新薬を購入しなければなりません。バーンロムサイでも、すでに耐性の出来てしまっている子どもがいます。新薬の値段は月に約12万円、このエリアのタイ人の平均月収の倍、数倍ともなる金額です。そしてまた、政情の安定していないこの国では、いつ政府からの援助を打ち切られるか解りません。さらに子どもたちは一生、薬を飲み続けなければならないのですが、偏見や差別により進学や就職の選択肢が限られ、薬の副作用のためか学力の低い子どもたちも少ないわけではなく、たとえ自立をしたとしてもその薬代を彼らが払う事が出来るのか?

バーンロムサイではスタッフのこれまでの努力もあり、地域での差別や偏見は大分解消されてきているようですが、そして子どもたちは元気に過ごしていますが、この国ではまだまだHIVに感染した子どもたちへの支援が必要なのだと、日を追うにつれ実感しています。まだまだ知るべきことが多いはず、、、せっかくタイに、そしてチェンマイにいるのですから、もっと多くの事を身をもって知り、お伝え出来るようにしたいと思います。


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葉っぱでお化粧?それとも美容に良いのかな?お年頃のメイレックとガノック

佐藤くみ|2010/10/15 (金)

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