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写真日記


初めてのチェンマイ

人生初めてのタイに来ました。ずっと行きたいと思っていたタイ。ただ、かつてイメージしていたタイとは一風異なる、むしろイメージをはるかに凌ぐ素敵な時間を過ごしています。
BANROMSAIが生まれた背景、存在意義、この場所にまつわる数多の人々の思いや人生(の一部)、そしてもちろん愛しい子ども達、全てにこの場所へ向かうべき理由を感じました。 "ずっと行きたいと思っていたタイ"ではなく、私のタイへの思いは完全にBANROMSAIにフォーカスされました。
到着したのは8/21(土)の夜。起きていたスーアイ、ヌン、スーが荷物をゲストハウスまで運んでくれました。その優しさと、見ず知らずの私に「メー(お母さん)」と呼びかけてくれた笑顔によって、初めてのタイ・チェンマイということで少なからずあった緊張感や気負いが一瞬で吹き飛びました。

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翌朝は予報通りの雨。残念がっている私達をよそに、「恵みの雨」と喜ぶスタッフ。雨期でありながら、あまり雨が降らずこのままだと貯水池が枯れてしまう、と困っていたそうです。東京の雨は満員電車の蒸し暑さを髣髴とさせます。自然の豊かさに素直に感謝するタイの方々。一方で、時に自然が成す業に対し鬱陶しさすら感じてしまう私達。「私達はいつの間に自然と対峙する関係になったのか」と考えさせられました。

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朝と晩、虫たちの合唱を聞きながら寝起きし、そよ風に吹かれながら読書をし、お腹が空いたらハンドン市場まで自転車で向かう。そして夕方になったら学校から戻ってきた子ども達と夕飯を共に食す。就寝までの束の間を惜しむように子ども達と遊ぶ(こちらでは「せっせーせーのよいよいよい」が流行っているらしく、皆飽きることなく我よ我よとこの遊びをしたがります)。暗くなったら子ども達と「ラティサワー(おやすみ)」をし、シャワーを浴び(時にプールも入り)大切な人と人生について語り、謳い、寝る。ハンドンまで自転車で向かう道のりで見た水田に懐かしさを抱き、家族四人で一台のスクーターを乗っているのを目にし、「家族って最高!」と叫ぶ。チェンマイで会う全てのタイ人が微笑みかけてくれる。ひと時ひと時が、東京で過ごすうちに忘れてしまっている大切なことを教えてくれます。"当たり前"や"日常"の愛おしさ、人に対して惜しむことなく与える心の温もり。これこそが"生きる意味"なのだと気付かされます。

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ハンドンからの帰り、BANROMSAIで亡くなった子ども達10人のお墓へ寄り、静けさの中手を合わせました。私が知らない、しかし確かにそこにあった"歴史"に思いを馳せると、「彼らの導きがあったから私は今ここにいる」という"ご縁"を感じずにはいられません。
今夜は、ホタルが飛び交う中、皆でコムロイを上げました。優しい光を点しながら上っていく無数のコムロイの下、プール沿いで喜ぶスタッフや子ども達を見てこの上無き幸せを感じました。本当に来て良かった!子ども達の間ではもちろん喧嘩だって、いたずらだってありますが、それこそが家族。遠慮の無さが故の憎めないご愛嬌を微笑ましく思いながら、残りの3日間を大切に過ごしたいと思います。

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河 京子|2010/08/25 (水)

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