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タイ医療事情〜産婦人科編〜 チェンマイで出産して感じたこと。

「え!?タイで出産?大丈夫なの?ちゃんとした病院あるの?」

日本に一時帰国した際、念のため受診した産婦人科で医師に言われた言葉。
タイの医療についてはまだまだ「発展途上」のイメージがあるのか
「チェンマイで産む」というわたしの選択について、その医師にはずいぶんと心配されました。

しかし実際チェンマイで産んでみて。
医療全般の対する満足度はとっても高かった!
信頼出来る医師と医療体制のもと安心してお産に臨むことが出来たと感じています。

先日の写真日記でもタイでの出産について少し触れていますが
実際に出産を体験してみて感じたチェンマイの医療事情のいま&出産エピソードをご紹介します。

今回出産するにあたり、わたしが選んだのがチェンマイ市内にあるクラパットクリニック。http://www.kullapat.com/index.php?language=2
タイでは大学病院などに所属する医師が、自身の専門領域について小さなクリニックでも診察を行うことがよくあるのですが、クラパットクリニックもその1つです。
高度先進医療の産婦人科専門病院として妊婦の間ではよく知られているクリニックで、
10名ほどの医師が所属しています。

わたしの主治医は30代の女性医師。
背が高く、はつらつとしていて、診察はすべて英語で対応してくれました。
医師といえば日本では「白衣」のイメージですが、わたしの先生はいつもカラフルなワンピース姿。
「調子はどう?」で始まる診察は、いつもリラックスした雰囲気の中で行われました。

主治医とは別にエコー検査専門の医師もいて
妊娠初期から中期にかけて、詳細な検査が何度か行われました。
「食道から胃までしっかりつながってますね」とか
「首の皮の厚さも問題なさそうですね」など
赤ちゃんの発育について丁寧に説明しながら細かなチェックをしてくれました。

クラパットクリニックでは分娩まで出来ないため
出産したのはクラパットの提携先であるチェンマイ大学医学部付属のシリパットセンター病院。
http://sriphat.med.cmu.ac.th/eng/home
日本では多くの妊婦さんが苦労する「分娩予約」も実にタイらしい快適な(おおらかな)スタイルで
「陣痛がきたら病院に来て下さい」の一言で終了。
書類を3枚渡されて「これに記入して持って来てね」と言われただけでした。

シリパット病院では
Normal Delivery(通常分娩) 26,000B(約8万円)
Caesarean Section(帝王切開) 43,000B (約14万円)
Natural Birth・Active Birth(自然分娩・アクティブ・バース) 27,000B(約8万5000円)
の3つから分娩スタイルを選ぶことが可能。
(日本の平均出産費用は、45万円〜50万円)

シリパット病院のデリバリーパッケージ

シリパット病院「普通分娩」用の分娩室

わたしはこの中から「自然分娩」を希望して
・分娩台ではなく自由な格好で産みたい
・陣痛促進剤や痛み止めは使いたくない
・出来れば会陰切開したくない
など事前に「バースプラン」を作成して、直前の検診で医師に渡していました。

そして、2月9日。出産当日。

朝5時30分に軽い陣痛と共に少量の破水。まだまだ余裕があったのでシャワーを浴び、洗濯をし、バーンロムサイへ立ち寄って、子ども達に「これから産むよー」と報告してから病院へ向かいました。スーワイが歯を磨きながら「チョークディーナカー(幸運を!)」と笑顔で見送ってくれました。

午前8時30分病院到着。
英語対応可能な医師がいなかったため「ナーム、ナーム(水、水)」と破水した旨を申告。
看護師がすぐに担当の先生に連絡をとってくれました。
その時点で子宮口は4センチ開大。生理痛のような痛みがつづくものの、まだ余裕。
夫は「長丁場になるだろうから、体力温存」と分娩室のベッドで寝始めました。

午前10時頃から陣痛が強くなってきて、隣で寝ている夫を叩き起こしました!
「いいいいい・・・・痛い!!!」
四つん這いになって陣痛を逃すも、じょじょに耐え難い痛みが。
「決して叫んだりしない、取り乱さない」と固く心に誓っていたものの
巨大な物体が下降してくる感覚に襲われ
「ダメだー、なんか出そう!!先生呼んで!」と叫んでいました。

「初産だしまだまだ時間かかると思うよー」と余裕の表情の先生。
しかし内診してみると、既に8〜9センチ開大!バタバタと分娩準備が始まりました。

先生はわたしの希望に添って「みどり、どんな体勢で産みたい?」と聞いてくれましたが
余裕の無いわたしは「ア…アライコダイ…(もう何でもいいです)」と言うので精一杯。
あんなに恐れていた会陰切開も「必要なら切っちゃってください」と自ら申し出ていました。

出産に必要な英語も事前に勉強していたのですが
実際に必要な英語は「push down(いきんで)!」の一言だけ。
30分ほど必死に「push down」を繰り返し
12時27分。「オンギャー」という大きな泣き声と共に無事息子が誕生しました。
(病院到着から4時間、先生も驚くスピード出産でした!)

出産後はすぐに赤ちゃんを抱かせてもらっただけでなく
BCGとB型肝炎の予防接種を終えると、母乳が順調に出るように早い段階でおっぱいを吸わせるなど
的確な対応をしてもらいました。

入院期間は2泊3日。
産まれた直後から母子同室でお世話を任されフラフラになりましたが
母乳外来で授乳指導を受けることも出来、看護師さんは夜中でも優しくサポートしてくれました。

その後も1週間検診、1ヶ月検診、予防接種、母親の身体のアフターチェックまで
しっかりと対応してもらったため、産後、不安になることもありませんでした。

2945グラムで誕生した息子は、産後1か月で5キロを超え
プクプクと順調に育っています。
大工チームで働くタンは2日に1回のペースで我が家にやって来て
嬉しそうに息子を見つめてから仕事に出かけて行きます。
毎回「抱っこする?」と聞くのですが「首が座るまで怖いから…」と言っているタン。
早くその日がくるといいなぁ…と今から楽しみにしています。

しばらくの間産休をいただいていますが
バーンロムサイに出会えたからこそ誕生した命に感謝する日々です。

地元の札幌市でもらったタイ語の母子健康手帳

谷岡 碧 | 2014/03/25(火)

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