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写真日記


ありがとうございました!

2003年の6月、バーンロムサイに到着したのは夜でした。暗いホームの中でチャイさんとあいさつともいえない挨拶をしたのを覚えています。そして翌朝、少し不安のあるなか部屋を出ると笑顔いっぱいの男の子が駆け寄ってきて何やら話しかけてくれました。タイ語は全くわからなかったのですが、この男の子の笑顔で心の中にあった小さな不安が一気に楽しみに変わったのを覚えています。この男の子は当時小学4年生のナットでした。そんなナットも今では高校2年生。一時の不安定さもなくなり、日本語を楽しそうに勉強するなんとも頼もしい青年になりました。ずり落ちたメガネと鼻水がトレードマークだったヌンにはいつの間にか身長を追い越され、抗HIV剤を始めてまだ半年ということやそれまでの大変な経験からか感情の起伏が激しかったミルクも今ではいつでも笑顔のかわいい女子高生になりました。もちろん他の子たちもすくすくと、そしてあっという間に成長しています。


その間ホーム自体もホームの自立のための縫製場ができ、ゲストハウスができ、また、個人的なことですがここバーンロムサイでアサマと出会い、結婚式を挙げ、2人の子どもができました。子ども達、日本人スタッフ、そしてチャイさんやトン君を始めとして一緒に働いたタイ人スタッフとの、ここでは書ききれないたくさんの思い出があるバーンロムサイでの時間も今月いっぱいで終わりとなります。子どもたちの自立や性の問題、薬の耐性の問題など、まだまだ解決しなくてはいけない問題もありますが、子どもたちもホームも一つの家族として成長しているバーンロムサイならこれらの問題も一つ一つ解決していくことができるのではないかと思いますし、今後も何かお手伝いできることがあれば喜んでお手伝いしたいと思います。


先日には徴兵の際の血液検査がなくなり、HIVに感染していても軍に入隊できるようになったと聞きました。これで将来の夢が軍人という子の夢がHIVに感染しているという理由でかなわないということがなくなりました。また雇用の際もHIVに感染しているという理由での解雇は法律で罰せられることになったとも聞きました。村の子どもたちもたくさん遊びに来てくれるようになり、社会も少しずつ変わってきていると思います。それでもHIVに感染していることで大変な思いをすることもあるかと思いますが、子ども達には自分の好きなこと、夢中になれることを見つけ、その夢に向かってがんばってほしいと思います。


ホームからは離れてしまいますが、すぐ近くに住んでいますし、娘や息子もすでに大好きなスーワイや他の子どもたちのことが恋しくなっているようなので、ホームに遊びに行ったり、また子どもたちにも遊びに来てもらえればと思います。最後にここで出会った子ども達、日本人スタッフ、タイ人スタッフ、そして子どもたちを支援して下ったみなさまにこの場をお借りいたしまして厚くお礼申し上げます。本当にどうもありがとうございました!


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鈴木 寛人|2011/01/28 (金)

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