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停電と風邪


一昨日、「明日は午前9時より午後4時まで、ナンプレー村のこの地域は停電となります」という手紙が見つかり、その予告通り昨日は日中の間、停電となりました。当然ながらコンピューターは使用出来ず、ほとんど日常の仕事が出来なくなりました。そのような訳で午前中は裕子さんと一緒に、普段延ばし延ばしにしていた図書館の本の整理をしました。

同様に縫製場も停電となると、織り機担当の人以外仕事になりません。ミシンは動かないし、照明が出来ないので暗く、布地の裁断も出来ず、、、。そこで、さき織り用の"糸"を作る作業を皆ですることになりました。私は縫製場の作業に関わることは滅多に無いのですが、おばちゃん達(と言っては失礼ですが、、)と一緒に作業をしました。

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バーンロムサイの縫製場では、裁断の際に余った布や、織りやプリントなどの状態が余り良くない布地をさき織りの材料にしています。それらの布を約1cmの幅で布目に合わせて手で裂いて、それを結びつないで"横糸"とし、毛糸やビーズなどの素材を混ぜて織り込んでゆくのが"さき織り"です。


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さき織りの織り機のアップ。裂いた布は横糸に使われます。


私は、裂いた布を糸玉にしてゆく作業を担当。単純で簡単に見える糸巻きも、玉が大きくなるにつれて押さえ込むのに力が要り、またきれいに巻いてゆくのにもある程度力を加えないとダメなので手がだんだん疲れてきます。


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裕子さんも糸巻きに奮闘、、!


結局、停電が終ったのは夕方5時前。普通日本では終了予定時刻より早く終る事は有っても、遅れる事は無いと思うのですが、そこがやはりタイ、何ともおおらかなお国柄、と、あらためて思いました。
午後一杯、糸巻き作業に専念しなければならなかったため、コンピューターが復活した後は残業となりました。しかしこの停電のおかげで、想像以上に手がかかる"さき織り"について、身をもって知ることが出来、手作りの風合いの"秘密"に触れた気がしました。
(さき織り製品については http://www.banromsai-shop.com/?mode=cate&cbid=729173&csid=0&sort=n 
http://www.banromsai-shop.com/?mode=cate&cbid=729175&csid=0&sort=n をご覧ください。)


ところで最近、子どもたちの間で風邪が流行っています。今日もお昼時、5、6人の子どもたちが学校に行かず休んでいるため、ホームの食堂で昼ご飯を食べていました。当然皆いつもよりおとなしく、そして余り美味しく感じられないのか、ゆっくり、もそもそと食べています。子どもたちの額を触ってみるととても熱い!!聞いてみると39℃以上の熱がある子どももいるそうなのですが、、、。

しかし、(こちらに来た当初、ちょっと驚いたことのひとつですが)、タイの子どもたちは熱があっても一日中寝ているわけではないようなのです。小さい子どもたちは日中、お医者さんからいただいた薬を飲んでタイ人スタッフに付き添われながら寝ていましたが、夕方にはいつもの庭掃除をしているのです!これには驚きました。「大丈夫?苦しくないの?」と聞くと、「ちょっと頭が痛いけど、、、、平気、、。」と答えていましたが、ゴホゴホと咳をしながら枯葉を集めている姿には、どうにかした方が良いのではないかと、こちらが不安になってしまいます。しかし、、、


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咳をしながら掃除に励む?ボーイとベン。大丈夫なのか?

「熱が有っても寝ているだけではなく、出来る事は普段通りにやる」 というのがタイでは普通の事のようです。そしてこれまでも、日本の常識から考えると「荒療治」と呼べなくもない、このようなタイならではの"風邪の治し方"によって、2、3日後には子どもたちはすっかり元気になって学校へ通い出します。その風土や地域には、それぞれに合った療法や習慣が有るということなのでしょう。この風邪の治療法に関わらず、「住んでみてこそ、始めて理解出来ることがある」と多々思う今日この頃です。


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マスク3人組、ボーイ、タム、そしてパヌ。ニサーも今日は学校を休んでいました。みんな早く、ちゃんと治るように。


(※子どもたちの飲んでいる風邪薬ですが、いつも診ていただいている主治医によって処方された、HIV治療薬と併用しても影響の無い薬を飲んでいます。)

佐藤くみ|2011/01/26 (水)

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