トップ > 写真日記

写真日記


みなさま、「新年明けましておめでとうございます」

子どもたちと過ごす12回目のお正月です。

開園した1999年の冬は寒く、小さな子どもたちが帽子を被りみんなで手をつなぎ庭を散歩していた姿を思い出します。あの時みんなと手をつないでいたブットとノンも生きていれば今年14歳、、ウットは15歳、カオホムは16歳、、双子のオイとアイは18歳に、、そしてロートは19歳になっていたはずです。

アッと言う間の11年でしたが悲しい事も沢山ありました。
亡くなった10人の子どもたちを思うと今30人の子どもたち全員が元気で生きている事のありがたさを痛感いたします。後ろを振り返っても仕方がありません。今ここで暮らしている子どもたちが将来も楽しく心地よい人生を送れるよう私たちは最大の努力をするしかありません。

昨年2010年には村の子どもたちも参加しいくつものスポーツイベントを開催しましたし、一緒にキャンプにも行きました。バーンロムサイの子どもたちが村の子どもたちと一緒に遊ぶなど1999年の開園当初には考えられない事でした。時間はかかりましたがこの村に彼らは受け入れられたと言う事なのでしょう。

これから社会に巣立つ子どもたちにとって最大の難関はやはり「HIVに感染している事実」です。新しい環境に受け入れられるのか、、、事実を隠さなくてはならないのか、、、もしも「差別と偏見」にあったとしたらその壁を乗り越えられるのか、、、いつまで私たちは手を差し伸べるべきなのか、、大きくなった子どもたちを前にいろいろと考えてしまいます。多少の時間はかかってもこの村が彼らを受け入れたように、タイの社会も彼らを受け入れてくれるのでしょうか?

何であれ子どもたちにとってバーンロムサイがいつでも帰って来られる、また帰りたいと思える「実家」になりたいと願っています。

バーンロムサイの子どもたちが今この様に元気に生きていられるのは皆さまからのご支援ご協力があったからこそと心より感謝いたしております。子どもたちそしてタイ、日本のスタッフ一同心より御礼申し上げます。またこれからも彼らが手に職を持ちバーンロムサイを巣立つまで、バーンロムサイの一喜一憂を写真日記に記してまいりますので、彼らの成長を見守り続けて下さいますようお願い申し上げます。


日本の社会は今あまり楽しくありません。のびのびと気持ち良く生きている人が少なく、国全体が縮こまってしまったようです。他人と比べず、競争せず、もっともっとと願わず、日々の暮らしを丁寧にそして大切に生きる事ができたら、人々は心地よい人生が送れ、結果、社会も明るく暮らしやすくなるのではないかと、ここ北タイの片隅で暮らしていると思ってしまいます。


「持てる人々」が自分たちの事だけを思うのではなく、それを必要としている人たちに手を差し伸べる事が出来れば、それを受け取る人たちは勿論の事、手を差し伸べた人たちの暮らしと気持ちも心地よいものとなると信じております。

2011年が皆さまお一人お一人にとって明るく幸せな年となりますよう心より願っております。


110101.jpg

今年もよろしくお願いします!

名取 美和|2011/01/01 (土)

前の写真日記:大晦日

次の写真日記:年末年始

写真日記一覧へ戻る