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デング熱の流行


この一週間ほど、私のまわりでは落ち着いてきた様子ですが、実は最近「デング熱」が流行っていました。「デング熱」というのは、雨が多く降るこの時期、「シマカ」という縞模様のついた蚊によって媒介されるウイルス性の病気で、2日〜3日の周期で高熱が出たり、発疹が出来たり、ひどい場合は毛細血管からの出血を伴い、口、目、鼻などからの出血が起こります。ちなみに人から人へ感染することはなく、また、3日から一週間ほど安静にしていれば自然と治る病気。この病気による致死率は0.01%〜0.03%(出血熱で3%から6%)と、名前のわりには?さほど恐ろしい病気ではありません。

(※ちなみに、デング熱と近い名前で恐い病気は「エボラ出血熱」。こちらは人から人へ接触感染をし、致死率53%〜88%とかなりこわい病気。現在のところ中央アフリカと西アフリカで発症。私も最初は混同してしまいましたが、くれぐれもこちらとお間違えのないよう、、、。/オンライン百科事典'Wikipedia'より)


今年はこの「デング熱」がタイで大流行しているらしく、一説によると昨年より8割増の患者数とのこと。ここ、ハンドン郡でもかなり流行っており、ホームではナットが、スタッフでは寛人君やトン君が、そしてこちらに住んでいる日本人にも「デングになってしまった」人が多くいました。ナットは発疹が出てしまい、寛人君も高熱に伴って胃を悪くしてしまいましたが、みんな幸いにも出血熱に至ること無く、一週間ほど休養した後、回復して元気になりました。そしてほかの子どもたちも今のところ「デング」に罹らず元気に過ごしています。


雨季の始まりの頃と、デング熱の患者が出たエリアには、役所の係の人が殺虫剤の入った「噴霧器」を背負って蚊を退治しに来るのですが、この殺虫剤の散布がものすごいのです。一面、霧に包まれたようにホームが白い煙に取り巻かれ、しばらく煙は消えません。特に初回に見た時はびっくりして、事務所棟の扉を全部閉め切りましたし、入口に扉が無い縫製所にいたおばさん達は、すでに煙の収まった場所へと避難していました。

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<殺虫剤を散布する役所の人>


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<近所の犬も何事か?と出てきて見学、、>

このように大掛かりな?蚊の退治により、デングの流行が早く下火となってくれれば良いのですが、、、。何分、相手が蚊なので防ぎようにも限界が有ります。出来る事と言えば「虫除けローション」を塗りたくり、蚊取り線香を一日中きらさず焚き続けるくらいでしょうか?ちなみに、この写真のような「虫取りラケット」(ガットの部分に電流が流れていて、蚊がぶつかると焼け死ぬという仕組みです)も活躍中。夕方になると、裕子さんと事務所で二人、ぶんぶんラケットを降っています(そしてタイ人スタッフのノイさんはこれをとても上手に使います)。日本で冬になるとインフルエンザが流行るように、これもタイの雨季の年中行事なのでしょうが、これ以上「デング」の患者が増えませんように!


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<大活躍! 虫取りラケット>


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<霧に、、ならぬ殺虫剤の煙にたたずむホーム>

佐藤くみ|2010/08/29 (日)

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