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9月は精霊にお供えをする月

先週のある朝、プロイさんとレックさんがガジュマルの木の下の祠にお供え物をし、線香を手にお祈りをしていた。そのすぐ後にはやはり線香を手にノイさんが祠にお祈りをしていた。ちょうど近くにいたトン君に「今日は何か仏教の特別な日なの?」と聞いてみると、トン君は「今日が仏教の特別な日というわけではなく、9月は土地や家の精霊にお供えをする月なんだよ。」と教えてくれた。

トン君の説明によると、チェンマイではいろいろな儀式などに今でも北タイの旧暦が使用されており、毎年若干のずれがあるものの5月の末から6月にかけてが北タイの旧暦9月にあたるそうで、9月は土地や家などいろいろな精霊にお供えをする月なのだそうだ。トン君も北タイの旧暦についてはそれほど詳しくないそうだが、北タイの旧暦カレンダーも売られているそうで、年配の方などは今でも旧暦カレンダーを使用しているという。チャイさんに聞けば北タイの旧暦についてもっと詳しく知ることができるよと言うトン君。そういえば、去年の末ごろに裏の貯水池の水が来年の雨季までもつかという話をチャイさんとしていた際、「雨が本格的に降りだすのは10月か11月ごろだけど、来年はもう少し早くから降ってくれれば。」と言うチャイさんに「雨季はもっと早いんじゃないの?」と聞いた覚えがあるが、その時もチャイさんは「北タイの旧暦10月か11月ごろだから、普通のカレンダーだと7月か8月だよ。」と言っていた。どうやらチャイさんにとっても雨の時期など、パッと浮かぶのは北タイの旧暦の方のようだ。そんなチャイさんも大工さんチームと一緒に大工オフィスでお供えをしていたそうだ。

ちなみに、11月ごろにあるタイの有名なお祭りの一つのロイクラトーンはタイの陰暦12月の満月の日に行われるのだが、北タイではそのロイクラトーンをイーペン祭りと言うことがある。タイの陰暦12月は北タイの旧暦では2月にあたり、"イーペン"とは"2月"を表す言葉なのだそうだ。

トン君も北タイの旧暦について知っているのは2月がロイクラトーンで、9月は精霊にお供えをする月だということだけだと言っていたが、北タイの旧暦カレンダーを手に、チャイさんやティムさんなどに話を聞けば、北タイの古い習慣などいろいろな話が聞けそうだ。今度北タイの旧暦カレンダーを見つけたら買ってみるのもおもしろいかもしれない。


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鈴木 寛人|2010/06/03 (木)

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