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ムーガタパーティー

先日、クリスマス当日ではありませんでしたが、クリスマス会の代わりにムーガタ(鍋の真ん中で肉を焼き、周りにはスープをはって野菜やつみれなどを煮込んで食べる料理)をみんなで食べました。いつものクリスマス会では子どもたちが出し物をしたり、大人も何かネタを披露したりしてパーティーを催すそうですが、今年は10月にバーンロムサイ10周年記念パーティーを開いたばかりだったこともあり、大きなパーティーは開催せず、みんなでムーガタを食べることになったのです。

それでも子どもたちはいつもとは違った夕飯がとても楽しみだったらしく、夕方になるとガンニガが私のところへやってきて、今日は一緒にムーガタを食べる?と浮かれた様子。私がもちろん!と答えると、じゃあ私はメーマリと一緒の鍋ね、と本当にうれしそう。そしていざムーガタパーティーが始まると・・・


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私はガンニガ、ペン、タム、ニサーと一緒の鍋に。七厘に乗った鍋がセットされてスープが投入されるやいなや、子どもたちはつみれやかまぼこのような練り物をどんどん入れ始めます。そして、「これとこれは私のだからね」「この肉は私の予約よ」「これは僕のだから食べちゃだめだよ」と最初から取り合い合戦。私は真ん中の肉を焼いてあげて、野菜を入れたり練り物を補充したりの大忙し。肉は意外と焼くのに時間がかかるので、焦げないようにひっくり返しては、煮えた野菜などを4人に平等に取り分け、また肉を焼いての繰り返し。
その間も「ちょっとそれは私の肉だったでしょ、なんで食べるの!」と小さな子に混じったガンニガが真剣に怒り、なぜか4人の中で仕切っていたペンが「わかったわ、じゃあこれが焼けたらガンニガのね」などと言い合っている始末。とにかくずーっと取り合いの喧嘩口調。一番年下のニサーは弱々しく「メー!私のだったのにペンが食べた...」と泣きそうに。食べるものはたくさんあるから喧嘩しないの!となだめても、焼けるのに時間のかかる豚肉はかなりの激戦。でもタムはパックブン(空芯菜)が大好きなようで、「メー、パックブン(ちょうだい)!」と最初から最後までパックブンを欲しがるし、なんて忙しい子どもたち、という感じでした。はっきり言って私はほとんど食べられませんでした。

それでも子どもたちが本当においしそうに食べるのでとても幸せな気分になりました。ニサーなんて10分おきくらいに「メー!アローイ!」を繰り返すし、タムは最後には「メー!もうお腹がはちきれそうだよ」とお腹をさすって苦しそうな様子。それでもまだ食べていたけど、子どもたちがやっとお腹一杯になって私も食べられるかなと思ったら、仕切り屋のペンが「じゃあお片付けね」とさっさとみんなのお皿を重ねていきます。私は思わず「えぇ~っ...?!メーにも食べさせて!」とお願いしてやっと少し食べたのでした。

今までも何度か食べたことのあるムーガタ、子どもたちと食べるムーガタがこれほどまでに忙しいものだとは知りませんでしたが、かなり楽しかったです。子どもたちが片付け終わった後も最後まで食べていた縫製場のおばちゃんたち、その鍋に混ぜてもらって、私も最後にはちゃんとお肉も食べられました。


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                       小さな子どもと真剣にお肉を取り合っていたガンニガ

上田 真理子|2009/12/30 (水)

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