今、バーンロムサイではアンティークの布を使った商品を作っていますが、去年からタイの少数民族のモン族が使用しているスカートを使ったエプロンスカートを作っています。
モン族の女性たちが付けている民族衣装をリフォームして、バーンロムサイの少数民族出身のスタッフが手仕事を新たに付け加えています。麻の質感がとても重みがあり、細かいプリーツはすべて手作業。まるでアコーディオンのような細かいプリーツは、着るとそのプリーツのボリュームにより存在感が感じられ、動きが出てとても美しいです。
モン族の民族衣装といっても、現代ではやはり時代と共に変わりつつあるようです。先日モン族の村を訪問した時に、販売していた衣装はとても現代風な色遣いで（化学染料などを使った色）とても華やか。そして素材も化学繊維などを使ったような衣裳に変わりつつあり、民族衣装の伝統が軽く感じられたのも事実です。初めてこの素材を市場で見つけた時、泥まみれの中に山積みにされていました。彼らにとっては、すでに着ふるしたゴミ同然の古い物で、新しい素材のものが貴重とされます。自分も若いころ新しいものに憧れたので十分気持ちもわかるのですが、やはり新品のものと比べると布の質感、色、技術などが独特に違ってきており、生活の変化の中で、以下に伝統の美しさを守るのが大変なことか感じさせられます。ゆっくりしたものづくりができた時代。文明を重んじながら、民族の独特の伝統が継いで行ってほしいなあと、細かい手作業一つづつ見ているとそう強く感じます。