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雨の境界線

先日市内での用を済ませた帰り道、空がだんだん暗くなってきたなと思っていると、やはり雨が降り出した。その雨は強さを増し、あっという間に前もよく見えないほどのスコールとなった。ライトをつけ、車のワイパーを最速で動かしても前がよく見えない。そんな中を当分運転していたのだが、雨の勢いが少し弱まってきたなと思った瞬間、ある場所を境に雨はぴたりと止んだ。雨の境界線だ。空はまだ若干暗いものの、その先の道路は全く濡れておらず、先程までのスコールが信じられないほどだ。日本ではこんな雨の境界線に出会うことはほとんどなかったが、タイではこんなことがよくある。以前、ホームは快晴だったので、バイクでハンドン市場まで出かけると、ハンドン市場は大雨、ずぶ濡れでホームに戻ってくると、ホームは相変わらず快晴だったということもあった。

そのため、雨の境界線に出会ってもさほど驚くことではなかったのだが、そこから2kmほど車を走らせると、何とまた別の雨の境界線に出会ってしまった。2kmほどの乾いた道路から一変、またスコールの中に突入してしまったのだ。ハンドン市場への往復で同じ境界線を2度通ったことはあったが、2km程の間に2度も別の境界線を通るとは思ってもみなかった。市内側とホーム側で別々の雲が雨を降らせており、その隣り合った雲どうしの距離が2km程だったのだろう。なんとも不思議な瞬間だった。

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鈴木 寛人|2009/06/18 (木)

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