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「新年あけましておめでとうございます。」

 開園のあの日から15年と2か月の月日が経ち、バーンロムサイでは16回目のお正月を迎えました。

子どもたちはお薬のおかげでエイズを発症することもなく元気で今を生き、確実に成長しています。あの頃の日々を思い出すと鼻の奥がツーンとします。元気に生きている子どもたちの姿を目にすると、どんな子に育ったのかと亡くなった子どもたちの事を思い浮かべます。もしももう少し早く抗HIV療法を始めることを決断していれば、何人かの子どもたちは死なずにすんだのでは。人生に「もしも」はありませんが特にこの頃このことが悔やまれてなりません。でもタイ人のスタッフが「大丈夫、何のカルマも背負っていない子どもはすぐにまた素敵な家族の下に今度は健康な体で生まれかわって来るから」と子どもが亡くなった時、私に語った言葉を信じるようにしています。

 HIVに母子感染して生まれ、孤児となりバーンロムサイで10年以上暮らし、ホームを離れ暮らしている子がすでに何人かいます。ホームと言う特殊な環境で暮らしていた子たちが社会に溶け込み自立し生きていくのは容易な事ではありません。なるべく過保護に育てたくない、将来それが彼らの為にならないからとの思いで子どもたちと接してきたつもりですが、やはりエイズを発症させたら大変との思いもあり結果「甘やかして」育ててしまった所もあります。

卒園し市内に住み、地に足をつけタイの社会に溶け込んで働き暮らしている子もおりますが、ちょっと心配な子どもたちも何人かいます。ホームにいる間、規則正しく服用していた抗HIV薬も一人暮らしを始めてから、どのように考えての結果なのか服用を止めてしまった子どもたち、そのことがエイズの発症につながるのではないか、耐性が出来、薬が効かなくなってしまうのではないか、セーフセックスをしているのか、差別はされていないか、仕事はあるのか、お金は、、、と心配しだすときりがありませんが、私たちの下を離れた彼らが困難な状況に陥った時、寂しい時、悲しい時にはいつでも戻れるようにとバーンロムサイの扉は常に開いています。

この15年で世界も変わりました。良い方向に変わった事もあるのでしょうが、これからどうなるのだろうかと思われる事の方が多く、特に日本がどんな方向に進んでゆくのか不安の方が大きいのも事実です。日本の現状を憂い今すぐに何かを変えることは難しいが、20年後50年後いや100年後を見据え「良い種」を蒔いておきたいと考えている人たちも多くいます。真摯に問題と向き合っている若者たちと出合うと嬉しくなり、このような思いの若者たちにバーンロムサイのバトンを手渡して行きたいと思っています。

日本人は優しく優秀な国民です。そして国土も美しく、その文化も誇れるものです。失われてしまった伝統、工芸、文化、信仰を今一度見つめなおし、戦後から長く続いた経済的な物差しではない価値観で生きたい、と思っている若い人たちにも多く出合います。

日本が世界に誇れる「平和とものつくり」これだけはなんとしても守るべきものだと遠く離れた外から日本を見るにつけ痛感させられます。経済的豊かさには限界があります。心地よい、気持ち良い社会は決してお金では買えませんと当たり前のことなのですがこの歳になって痛感しています。

孤児たちの為の生活施設「バーンロムサイ」を支えているプロダクツの製作、宿泊施設hoshihana villageの運営が、雇用の機会の少ない山岳民族、難民、HIV感染者、生活に困窮している人たちの職場ともなり、また作られた商品をエシカル商品と認識し購入して下さる方たち、利益がホームの活動費になると知って宿泊される方たちが増えてきている事は嬉しい限りです。

ゴム草履をつっかけ、ネコとイヌとコドモ、そしてタイのおじちゃん、おばちゃんとここナンプレー村で暮らしていると、100年前の東京の暮らしもこんなだったのではないかなぁと想像します。この北タイ・ナンプレー村も変わりつつありますが、「身の丈」にあったつましい暮らしをしている村人もまだまだ多くいます。

バーンロムサイの物語は15年前に始まりました。2015年、また次の幕が開きこの物語は続きます。どんな物語が紡ぎだされるのでしょう。

次の幕が開き、、、

この15年間の皆さまからの暖かいご支援ご協力に心から感謝いたします。
そしてどうかこれからもバーンロムサイの子どもたちと私どもの活動を見守り続けて下さいますようお願い申し上げます。

皆さまにとってこの1年が穏やかで気持ちの良い年になりますように!!!

明るい年になりますように!

名取 美和 | 2015/01/01(木)

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